ベストテク

久しぶりにベストテクビデオを見た。

このところは、先入観にとらわれないようにしていたから、あえて見ていなかった。


やはり、渡辺さんのフォームは綺麗だ。

習字のお手本のように、同じことを同じように何度でも繰り返せる。

それは、達人と呼んで差し支えないだろう。


自分も、多くの人と同じように、それに憧れ、ベストテクを学び、参考にしてきた。



だが、それは自分には難しすぎた。

人それぞれ、生まれ持った能力が違えば、育った環境も違う。


その中でも、自分は標準より能力も体力も劣る。

だから、渡辺さんの引く、スタートラインにも立てなかった。



それが変わったのは、ベストテクを離れた時から。

言い換えれば、自分の考えを持てるようになった時からだと思う。



最近、こう思う。

世の中には、教えてもらって出来るようになることと、教えてもらっても出来るようにはならないことがあるのではないかと。


自分の身近な例で言えば、整備とペイント。

整備にはマニュアルがある。

その手順に従い、要点を教えてもらえば、誰でもある程度は出来るようになるし、見た目の仕上がりもそうは変わらない。

(もちろん、プロとアマの間には確固たる差が有るし、性能や機能も変わる)


だが、ペイントにはそれがない。

ガン吹き一つとっても、

作業環境/気温/湿度/天候/コンプレッサー/周辺機器/ガンの種類/口径/エア圧/パターン幅/吐出量/塗料メーカーの違い/シンナーの配合割合/シンナーと硬化剤種類の季節による選択/ガンの構え方/トリガーを引く量/吐出間隔/物とガンの距離/物とガンの角度/ガンを動かすスピード/パターン重ね幅/塗り重ね回数/乾燥時間/乾燥環境etc・・・

思いつくだけでも、これだけの選択条件がある。


これらには、ある程度の基準はあるが、それはあくまでも目安にしか過ぎない。

ペインターによって千差万別、一つとして同じ物はない。


だが、この複雑な条件でも、プロペインターが吹けば、仕上がりは同一のものとなる。

それは、全てが経験と勘で導き出されるものだからである。



ここまで書けば、もうおわかりだろう。


ペイントは、教えられていては出来ない。

考え/試し/失敗し、その経験を積んで技術を身につけていく。

自分の考えを持てなければ、出来ないことなのである。


それと同じことが、オフロードバイクライディングにも言えることではないだろうか。


ベストテクを教えられている時には理解できなかった。

考え/試し/失敗し、その経験を積んでいない時には、技術も体力も身につかなかった。


離れて、自分の考えを持つことができたからこそ・・・

それが理解できるようになったし、技術も体力も身についたのである。




最後にお断りしておく。

自分は、ベストテクの信者でも信奉者でもない。


オフテクコラムの冒頭でも書いているように、今の自分があるのはベストテクのお陰だと思っている。

だが、ベストテクにも説明が足りない部分があるし、自分がそうだったようにスタートラインが高過ぎるとも思っている。

全てを肯定するわけではないし、全てを否定するものでもないということである。





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